肩の不調の原因としてよく耳にする「腱板断裂(けんばんだんれつ)」。名前だけ聞くと、なんだか怖い病気のように思えますよね。でも実は、これは特別な人だけに起こるものではなく、年を重ねると誰にでも起こり得る“自然な変化”のひとつでもあります。今日は、その実態を数字で分かりやすく見ていきましょう。
50歳を過ぎると4人に1人が「肩に断裂あり」
日本で行われた調査によると、50歳以上の人のおよそ26.6%(約4人に1人)が腱板の断裂を持っていたという結果が出ています。
つまり、特別なスポーツ選手だけでなく、ごく普通の生活を送っている人の肩にも、意外と多く見つかっているのです。
でも「痛みが出る人」は3人に1人だけ
さらに面白いのは、「断裂があっても痛くない人が多い」ということ。調査では、断裂を持っていた人のうち 65.4%が痛みなどの症状を感じていませんでした。
逆に、肩の痛みや動かしにくさを感じていたのは 34.6%。つまり断裂がある人の3人に1人程度です。これを全体で考えると、50歳以上の人のうち17〜18%は「断裂があるけれど痛みがない」状態で生活している、という計算になります。肩の中で起きていても、本人は気づかないことが多いというのがポイントです。
年齢とともに増える
「断裂」年を重ねるほど、断裂を持つ人の割合は増えていきます。
例えば50代より60代、そして70代になるとさらに高い割合で見つかるようになります。つまり、腱板断裂は「年齢とともに増える自然な変化」とも言えるのです。これはシワや白髪のようなもので、「年をとると体に起こる変化のひとつ」と考えるとイメージしやすいかもしれません。
では、なぜ多くの人は断裂があっても痛みを感じないのでしょうか?
理由のひとつは、体がうまくバランスを取って動いているから。肩の中では複数の筋肉や腱が協力して動きを支えています。ある部分に小さな断裂があっても、他の部分が補ってくれることで、痛みを感じずに生活できている場合が多いのです。
まとめ 〜数字から分かる安心材料
ここまでの内容を整理すると──
・50歳以上の人の約26.6%(4人に1人)が肩に断裂を持っている
・そのうち 65.4%は痛みなし(無症状)
・痛みがあるのは断裂を持つ人の 34.6%、つまり全体では1割弱程度
年齢が上がるほど断裂の割合は増えるが、多くは「生活に支障なし」
不安になりすぎない
「断裂がある」と聞くと不安になる方も多いですが、数字を見ると意外と多くの人が「断裂ありでも元気に生活している」ことが分かります。大切なのは、痛みや動かしにくさが出てきたときに早めに相談すること。逆に、無症状であれば必要以上に心配する必要はありません。
肩の変化は年齢とともに自然に起こるもの。数字を知ることで、安心して体と付き合っていけるのではないでしょうか。








