「妊娠中に腹帯って必要?実際に検証してみた結果…」

2025.06.19

妊婦さんの多くが使っている「腹帯」。
「腰がラクになる」「姿勢が保てる気がする」 ──そんな声をよく聞きますが、果たして本当に効果があるのでしょうか?

天尾早代さんらの研究では、妊婦体験装具(約3.6kg)をつけた若年女性25名に  腹帯なし  腹帯あり の2パターンで、静的姿勢を比較。
測定項目は
・重心位置の移動
・立位時の安定性(重心の軌跡長や面積)
・体幹の角度(姿勢の変化)

結果は…
・ 妊婦装具を着けると、体幹は後ろに反りやすくなる(体幹伸展)
・しかし、腹帯の有無で“有意な違い”は見られなかった
・姿勢の安定性にも、腹帯による変化はなし
つまり 「腹帯を巻いたからといって、明確に姿勢が良くなる・腰の負担が減る」とまでは言えないということです。

研究者の考察では、
・妊婦の体幹伸展(いわゆる反り腰)そのものは共通で見られ、腰への負担は“高い確率で生じうる。
・腹帯の使用は、少なくとも静的姿勢には大きな効果がない可能性がある と述べられている。

現時点でのポイントは:  腹帯は“ラクに感じる”こともあるが、“動作の安定”や“腰痛予防”の効果は明確には証明されていない
 正しい姿勢と動作、適切な運動が重要 「腹帯だけに頼らず、姿勢や運動にも目を向ける」ことが、腰痛予防には大切かもしれません。

参考文献: 天尾早代ら(2020)「妊婦体験装具を装着した際の静的姿勢制御における腹帯の効果-運動学的視点から-」理学療法学第45回学術大会 抄録集 P3-247

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