「運動のあとにはストレッチをするといい」
多くの人がそう聞いてきたのではないでしょうか?
筋肉の疲れをとったり、ケガを防いだりするために、ストレッチを習慣にしている方も多いと思います。
でも実は最近、「運動後のストレッチは思っているほど効果がないかもしれない」という研究結果が発表されました。
研究で調べたこと
韓国の研究チームが、2025年に『Frontiers in Physiology』という国際的な科学雑誌に発表した論文によると、これまで行われた15の実験(465人が参加)をまとめて、「運動後のストレッチがどれくらい回復に役立つのか」を調べました。
比較したのはこの2つのグループです:
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・運動のあとにストレッチをした人
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・何もせず休んだ人
ストレッチの種類は、一般的な静的ストレッチ(じっくり伸ばすタイプ)だけでなく、動的ストレッチやPNFと呼ばれる方法も含まれていました。
どんな結果だったの?
研究の結果は、多くの人にとってちょっと意外なものでした。
ストレッチをしてもしなくても、次のような項目にはほとんど違いがなかったのです。
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・筋肉の痛み(筋肉痛)
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・筋力の回復
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・柔軟性の向上
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・運動パフォーマンス
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・痛みを感じにくくなる度合い(痛みの閾値)
つまり、「ストレッチをしても、筋肉の回復が早くなったり、パフォーマンスが上がるわけではない」という結果でした。
それじゃあ、ストレッチって意味ないの?
そう思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。
研究者たちは、「ストレッチがまったく意味がない」と言っているわけではなく、
「回復効果や筋力アップ効果は科学的にはっきりとは言えない」という結論を出しています。
一方で、ストレッチにはこんなメリットもあります👇
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・呼吸が整い、リラックスできる
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・体の動きをゆっくり感じられる
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・翌日の疲れが軽く感じる人もいる
つまり、数字では表れにくい**“体感的な心地よさ”や“リフレッシュ効果”**は確かにあるのです。
効果的にストレッチをするコツ
今回の研究は「運動後」のストレッチに限定されていましたが、
ストレッチを取り入れるタイミングを変えることで、得られる効果も違ってきます。
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・運動前:ケガ予防・可動域の拡大に効果的
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・日常的な習慣として:姿勢の改善・柔軟性アップ
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・寝る前や入浴後:副交感神経を整えて睡眠の質を高める
つまり、ストレッチは「運動のあとにだけ行うもの」ではなく、
生活の中で心身を整える時間として活用するのがポイントです。