「腰が痛い…」
そう感じたとき、多くの人は腰や背中の筋肉に意識が向くと思います。でも実は、**呼吸をつかさどる横隔膜(おうかくまく)**という筋肉が、腰痛に大きく関わっていることをご存じでしょうか?
横隔膜は胸とお腹の境目にあるドーム状の筋肉で、息を吸ったり吐いたりするときに動いてくれます。ところがそれだけではなく、お腹の中の圧を調整して、体幹を安定させる働きも担っています。つまり横隔膜がしっかり働くことは、呼吸だけでなく腰の健康にもつながっているのです。
腰痛の人の横隔膜はどう違うのか?
研究によると、慢性的に腰痛を抱えている人は、健康な人と比べて横隔膜の動き方に特徴があります。
・仰向けで寝ているときは比較的スムーズに動く
・椅子に座ったり立ったりすると、横隔膜の動きが小さくなる
・呼吸のリズムが乱れやすくなる
・横隔膜の厚みの変化が少なく、十分に働いていない
このような状態だとお腹の中の圧が保ちにくくなり、体幹が安定しにくくなります。その結果、腰に余計な負担がかかり、痛みが長引いてしまうのです。
だから「呼吸」を整えることが大事
「腰が痛いから運動できない」という人も多いですが、呼吸なら誰でも、どこでも、今すぐ始められます。
おすすめはまず 仰向けでお腹に手を当てて、ゆっくり呼吸すること。お腹がふくらむのを感じながら吸って、ゆっくり吐いてみましょう。慣れてきたら椅子に座った姿勢、立った姿勢でも同じように呼吸を意識してみてください。
少しずつ練習することで横隔膜が本来の動きを取り戻し、体幹の安定につながります。結果として腰の負担が減り、痛みの改善にもつながる可能性があるのです。








