私たちの毎日の食生活は、体の健康と深く関わっています。特に「朝ごはんを食べるかどうか」「夜遅くに食べるかどうか」は、体の中の“血液の状態”に大きく影響することがわかってきました。
2025年にアメリカの栄養学専門誌に発表された研究では、中国の多くの成人を対象に、長期間にわたって食習慣と血液の脂質(いわゆるコレステロールや中性脂肪)の変化を追いかけました。その結果、「朝食を抜く習慣がある人」や「夜遅くに食べる習慣がある人」は、そうでない人と比べて血液中の脂質バランスが悪くなりやすい、ということが明らかになったのです。
なぜ朝ごはんが大事なのか?
朝ごはんを食べることは、体内時計をリセットし、代謝をスムーズに動かすスイッチの役割を持っています。朝に食べ物を摂らないと、体はエネルギーを効率よく使いにくくなり、血糖値や脂質を調整する仕組みに負担がかかります。
この研究では、朝食を抜く人ほど「悪玉コレステロール」が増えやすく、将来的に動脈硬化や心臓病のリスクを高める可能性があると指摘しています。
夜遅くの食事がもたらすリスク
一方で、夜遅くに食事をとることも問題です。夜は体が休む準備をしている時間帯なので、エネルギーを消費しにくくなっています。そんな時に食べ物を取り込むと、消費しきれず余ったエネルギーが中性脂肪として血液中に増え、脂質バランスが崩れやすくなるのです。
研究では、夜遅くに食べる習慣がある人は、中性脂肪が高くなる傾向が見られました。これもまた心臓病や脳卒中といった生活習慣病につながる危険因子です。
「習慣」がカギを握る
ポイントは、「たまに」ではなく「習慣として」続いているかどうかです。たとえば休日に朝ごはんを抜いたり、特別な日に夜遅くに食べるくらいでは大きな問題にはなりにくいですが、日常的に繰り返していると、少しずつ血液の状態に影響していきます。
つまり、朝ごはんを抜くことも、夜食をとることも、「毎日続けること」が健康に悪影響を及ぼしてしまうのです。
今日からできる工夫
・できるだけ朝ごはんをとる
無理にたくさん食べなくても、バナナやヨーグルト、味噌汁など簡単なもので十分です。
・夜は軽めに、できれば早めに
寝る直前の食事は避け、寝る2〜3時間前には済ませるように心がけましょう。
・リズムを整える
決まった時間に食べる習慣が、体のリズムを安定させます。
まとめ
この研究が伝えているのは、「食べる時間と習慣」が健康に直結するということです。朝ごはんを抜いたり、夜遅くに食べる習慣を続けると、血液中の脂質バランスが崩れ、生活習慣病のリスクが高まってしまいます。
「朝は軽くでも食べる」「夜は早めに済ませる」という小さな心がけが、将来の健康を守る大きな一歩になります。毎日の食習慣を少し見直して、体を内側から整えていきましょう。








