呼吸の回数が増えると、なぜ息苦しくなるの?
「たくさん呼吸をしたら、もっと楽に酸素が入ってくるはず…」
そう思って息を早くしてみたら、逆に息苦しくなった経験はありませんか?
実は、呼吸の回数が増えると、体にとっては必ずしも効率がよくなるわけではありません。むしろ息苦しさにつながることがあるんです。
呼吸が速くなると起こること
① 酸素が奥まで届かなくなる
速い呼吸は「浅い呼吸」になりやすく、肺の奥まで空気が届きにくくなります。
そのため、酸素と二酸化炭素の交換がうまくできず、「吸っているのに足りない」という感覚になってしまいます。
② 二酸化炭素が減りすぎる
呼吸を速くすると、二酸化炭素が必要以上に体から出ていってしまいます。
すると血液のバランスが崩れ、めまいや手足のしびれ、胸の圧迫感などを感じることがあります。
これが「過換気症候群」と呼ばれる状態です。
③ 呼吸の筋肉が疲れてしまう
呼吸は肺だけでなく、肋骨の間の筋肉や横隔膜といった筋肉の動きによって行われています。
速い呼吸を続けると、これらの筋肉が疲れてしまい、さらに呼吸がつらく感じられるようになります。
息苦しさを防ぐために
もし息苦しさを感じたら、呼吸の「回数」を増やすのではなく、深さを意識してみましょう。
・ゆっくりと鼻から吸って
・口から細く長く吐く
このような「深い呼吸」を意識すると、酸素を効率よく取り込み、体も落ち着きやすくなります。
まとめ
呼吸数が増えると息苦しくなるのは、
・浅い呼吸で酸素が届きにくい
・二酸化炭素が減りすぎる
・呼吸筋が疲れてしまう
といった理由から。
「速さより深さ」――これを意識するだけで、呼吸はぐっと楽になります。








