この研究は、ハイヒールを履くことが女性の足の変形とどのように関係しているのかを明らかにするために行われました。対象は40歳以上の女性で、足の形や変形の有無をX線などで調べ、履いている靴の種類や生活習慣との関連を分析しました。
研究の背景
女性の足の変形(外反母趾、小趾の変形、横アーチの低下など)は年齢とともに増加しますが、特にハイヒールやつま先の細い靴が要因になる可能性が指摘されています。ハイヒールは足先に体重が集中し、つま先部分が圧迫されることで足の形が変わりやすくなるからです。
主な結果
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・ハイヒール常用者は変形の割合が高い
ハイヒール(特に5cm以上)を長期間履いている女性は、外反母趾や小趾の内反などの変形が有意に多く見られました。 -
・使用頻度とリスクの関係
週に3日以上、1日4時間以上履く習慣がある場合、足の変形のリスクが特に高くなっていました。 -
・年齢やBMIの影響
年齢や体重の増加も足の変形に影響しましたが、それ以上に「靴の形」と「ヒールの高さ」の影響が大きいことが示されました。
考えられるメカニズム
ハイヒールを履くと、体重が前足部(つま先側)に集中します。これにより母趾(足の親指)の付け根に過剰な負荷がかかり、関節が外側に曲がる外反母趾が起きやすくなります。また、つま先の狭い靴は小趾を内側に押し込み、足幅やアーチ構造にも影響します。
健康への影響
足の変形は見た目の問題だけではなく、歩行のバランスを崩し、膝や腰の痛み、転倒リスクの増加にもつながります。特に高齢期では転倒による骨折など、生活の質を大きく下げる可能性があります。
予防のためにできること
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ハイヒールは毎日ではなく、特別な日だけに限定する
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ヒールは3〜4cm以下の安定したものを選ぶ
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つま先に余裕のある靴を履く
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足のストレッチや足指の運動を習慣化する
まとめ
この研究は、ハイヒールの常用が女性の足の変形と強く関連していることを示しました。特に頻度と時間が長いほどリスクは高くなります。おしゃれと健康のバランスを考えながら靴を選ぶことが、足を守るために重要です。








