文献では、以下の4つの可能性が指摘されています:
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・前庭器官との連携
内耳の前庭系(の機能が、聴覚と同様に老化で低下することが知られており、これが姿勢の揺れにつながる可能性があります。
・空間認識に使う音情報の欠損
音の変化による「音環境(acoustic flow)」から得られる周囲情報が減ると、バランス維持が難しくなることが示唆されています。
・認知的負荷の増加
聴力低下があると、姿勢制御時により多くの認知リソースが消費され、歩行や立位の際に「ポストチャー優先戦略(姿勢を保つために脳の他の処理を犠牲にする)」が働きやすくなります。
・老化由来の共通要因
聴覚と姿勢制御は、脳や血管、神経系の老化という共通背景があると考えられますが、年齢や性別、心血管疾患を統制した上でも関連が認められていたため、それだけでは説明できませんでした。